張 任

益州の名将

 生年不明。  

 貧しい家の出身だったが、劉焉に見出され重用される。劉璋の代になっても変わらず仕え、その文武両面の才能を発揮する。

 益州の北に位置する漢中やそれを狙う曹操が不穏な動きを見せる中、東に位置する荊州から攻め込んできた劉備軍に対して応戦した。  

 劉璋軍の中心となって戦い、劉備軍の軍師・ホウ統を落命させるなど痛撃を与える。劉備軍に増援が来ても篭城によって頑強な抵抗を続けるも、多勢に押し切られて捕えられる。  

 劉備は捕えた張任の才能を認めて何度も配下になるように誘ったが、張任は君主を変えることは出来ないと主張し、遂に首をはねられる。  

 劉備は死の間際まで心を変えることのなかったその忠節に感じ入り、敵であるにも関わらず、張任を金雁橋の傍に埋葬し、石碑を立ててこれを讃えたという。





    〜益州の勇、忠を悟る〜

 211年、群雄割拠から抜け出た曹操、孫権、劉備が大きくなる中、益州は中原の戦乱から離れていた。漢中、曹操と不穏分子が巡る中、最初に益州の地に乗り込んできたのは劉備軍だった。

 益州の将・張任は、自らを見出してくれた先代の劉焉と現主の劉璋が明らかに違い、暗愚であることに絶望に近い念を感じていた。そこへ舞い込んでくる、張松と法正による謀反の計画。

 漢の復興。それを益州から目指した劉焉と、暗愚な劉璋の差。張任は、同じく漢復興を唱える劉備に傾倒する。益州を劉備に治めてもらうことが自分の選ぶべき道であることを確信する。

 そして張任は、自らの主・劉璋に剣を向ける。だがそこで待っていたものは、劉璋の思いを乗せた言葉だった。張任は、その抜いた剣を天に差し上げ、誓う。自らが剣を振るうべきものは…と。



 他登場作品


    なし

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