姜維 伯約

202年生まれ。
雍州・天水郡出身。若くして天水の軍事を担い、その才能から「天水の麒麟児」と呼ばれた。諸葛亮率いる蜀軍が第一次北伐で天水を陥落させた際、蜀に下る。
その後の蜀軍の北伐にも参軍し、功績を認められ次々と昇進していき、諸葛亮が亡くなった数年後には蜀の中枢を担うまでの立場に上がる。
魏を攻めることを常に主張していたが、諸葛亮の丞相の地位を継ぐ者に、諸葛亮が出来なかったことを出来るわけがないと反対され、兵をなかなか与えられなかった。
しかし丞相が相次いで亡くなると、姜維は諸葛亮の北伐を受け継ぐ者とし、軍権を握り、再び北伐を繰り返すも、大きく進展することはなかった。
263、蜀に魏軍が攻め入り劉禅が降伏したためにあえなく降伏するも、魏将・鍾会と共に首都成都で反乱を計画する。
しかしその計画は漏れてしまい、成都にいる魏軍全てを敵に回し、鍾会や妻子共々殺された。
〜土と共に、剣と共に〜
かつていた魏でも、降った蜀でも、戦う意味に疑問を感じていた姜維。本当に民のためになることとは何なのか、その疑問を払拭できずにいた。
そんな時に成都の桃園で出会ったタオという青年との話の中で、姜維はその手掛かりを得て、剣を握る決意を新たにする。
一方、タオという一介の青年に扮していた蜀皇帝・劉禅は、諸葛亮が亡くなった直後の混乱に、自分のなすべきことに疑問を感じる。失いながらも戦う理由が、分からなくなっていた。
一度は迷い苦しんだにも関わらず、戦い続ける姜維に、タオとしての劉禅は尋ねる。なぜ、そこまで戦い続けることが出来るのかと。しかし再び皇帝・劉禅、そしてそれに仕える武将・姜維として二人が会った時、そこに迷いはなかった。
263年、魏が蜀に攻め入り、蜀という国の存亡を賭けた戦いが起こる。民を守るべき立場の劉禅、そしてそのために戦わなければならない姜維。二人の出す答えは、決まっていた。
迫り来る魏の大軍勢。勝ち目の見えない戦。それに対する姜維は、迷いなく剣を持つ。自分が剣を捨てない限り、蜀はそこにある。その思いと共に、姜維は魏に立ち向かっていった…。
他登場作品
・ 閑話休題(偲蜀伝)